クロージングに上手いも下手もない。ただ単に”相手にきちんと伝えていないだけ”である。【リライト前】

あなたは好きな女性とデートに誘い、愉しい時間を過ごすだろう。

愉しい時間を過ごす回数は多いのに、一向に進展しないことはないだろうか。

 

ビジネスでも同じでお客様と仲良くなり、商談の回数を重ねるが一向に契約できないことはないだろうか。

 

私はお客様の数と商談の数が多く、毎日のスケジュールがびっしり埋まっていた時期がある。

とても忙しい割に、成果がでない。

 

「なぜ、契約寸前までいくのに契約ができないのだろう。なぜ私の気持ちが相手に届かないのだろう」と悩んでいた。

 

だが、ある時を機に契約が立て続けに取れるようになった。

そのキッカケは、トップ営業マンの人に同席した時に気付いた。

 

”私がきちんとお客様に「契約してほしいです!」と伝えていなかった”ことだった。

 

 

お客様にきちんと契約の話を伝えてもいないのに、契約などできるはずもなかったのである。

なぜ伝えていなかったか。それは単にお客様の悪い結論が出ることにビビッていただけだった。

 

 

良い結果、悪い結果問わずに結論をきちんと提示して判断してもらうことに徹した。

その結果、商談の回数は激減し、成績は海老ぞり型であがっていった。

 

つまりクロージングに下手も上手いもない。

 

『あなたが結論を貰う話をしたか否か』にある。

 

たったこれだけで、あなたの営業成績は一変するだろう。

自分の気持ちを明確に伝えることが、クロージングである。

 

クロージングが下手な人と上手い人がいるわけではない。

ただ単に、「クロージングしていない」という話なだけである。

 

コミュニケーションも全く同じだ。

「これだけ部下のことを思っているのに、なぜこの私の想いは伝わらないのか!」と嘆く上司を何度もみてきた。

当時、私の同期がその上司の気持ちを汲んでいないと言われている者だった。

そこで私がその同期に「あの上司が○○に想いが伝わらない!」と嘆いていたよ、と言うと思いもよらない回答を受けた。

 

「あの上司の考えていることはサッパリ分からない。顔色だけ百面相のように変わる。何を求められているのか全く分からない。顔色を見るのも疲れたよ」

 

つまり、上司は”伝わっている”と思っているが、部下は”伝わらない”と言っているのだ。

 

もちろんその上司は、自分が何を考えているのかはよく分かっている。なぜなら、紛れもない本人だからである。だが、他人が相手の考えを読み解くには相当なスキルがないと読み取れない。多くの場合は、きちんと伝えないと、相手には伝わらないものだ。

 

先ほどの恋愛の話もまったく同じで、デートは上手くいくが一向に付き合えないのは、「あなたのことが好きです。私と付き合ってください!」と、きちんと告白してないからである。告白したならば、良いも悪いも結果が出る。”一向に付き合えない”という現実にはならない。

 

話を戻すが、仕事も全く同じで「当社でご契約頂けませんでしょうか!」と、きちんと伝えていないのが大きな原因である。

 

私が売れるようになってからは、クロージングが苦手な部下に同席しているのだが、「ここでご契約してください!とスッと言えば契約がもらえるのに…」と何度思ったことか。きちんとお客様に言わずに話を持ち帰るのではなく、きちんと契約してほしい旨を話すのがクロージングである。

 

 

気持ちを伝えることが、欲しいものを手に入れる最大のコツ。

いざ、「ご契約してください!」という時に、一つだけ気にかけてほしいことがある。

それは、”自信を持って、契約してください!”と、言うことだ。

 

これがなかなかできない人が多い。自信なさげに相手の顔色を伺いながら言う「契約してください。」は、似て非なるものである。まずは自信なさげな顔をせずに、堂々とクロージングしてみて欲しい。

 

契約書を出す時も躊躇せず、堂々とお客様に差し出して、「こちらにサインをください!」とハッキリ自信を持って言うべきである。

 

ただ、堂々としたクロージングでは成功するか失敗するかの2種類がある。失敗する堂々としたクロージングには”ある若干の違和感”を相手に感じさせてしまう。

 

お客様はあなたより真剣である。なぜなら、お金を出す行為がより相手を真剣にさせる。だからこそ、『あなたの表情や、声のトーンやしぐさから、”本当にこの人から買って大丈夫なのか?”」を潜在意識で感じ取ってしまう。

 

お客様から潜在意識であなたの堂々とした態度にも関わらず、失敗を呼ぶ原因を知っておくべきである。

 

『クロージングの前に、後ろめたいことをきちんと包み隠さずに、話すこと』だ。

 

若干の後ろめたさがあるクロージングは、一瞬でお客様は嗅ぎ取ってしまう。

 

 

部下の同席で気付いたが、「実はこれお客様に言っていないんです。もう言いだしにくくて…」という背景を持ったまま臨んだ商談の多くは玉砕した。部下は堂々とクロージングをかけるが、”なにか”を感じ取ってしまうのである。

 

その後独自にお客様を追跡調査した結果、そのお客様は、「なんか最後、信用できなかったんだよなぁ。何故かはわからないけど」と漏らしていたそうだ。

 

 

多くの堂々とした「契約してください!」の結果が悪い原因の多くは、後ろめたさにある。

後ろめたさがある中で、堂々とクロージングをかけても必ずあなたの微差に表れてしまい察知されてしまう。

 

つまり、気になる点を包み隠さずに話した上で、緊張しながらも堂々とクロージングすることで、契約の確率がグンッとあがる。

 

お客様を舐めてはいけない。

あなたが引っ掛かる点は何となく感じ取っていることを念頭におこう。

 

お互いスッキリした状態で、あなたの気持ちを伝えるからこそ欲しい物が手に入るのだ。

 

クロージングとはあなたが思っているより、ずっとずっとシンプルなものだったのである。